古いMacのソフトを新しいMac上で動かしたいとき ~SheepShaverを使ってSuperPaintを動かす~
使いたいソフトが、自分の持っているパソコンで動かなかったとしたらどうするか。
今回はOSとその上で動くソフトの話。
話の始まりは父のこんな一言から
「iMacの方でもSuperPaint動かすようにしてよ」
非常にざっくりしたお願い。
iMacとはアップルが出してる据え置きタイプのパソコン。うちのはその2011年バージョンのやつ。
SuperPaintとは、Aldus社製のMacOS上で動かす絵描き用ソフトの事。
父はそれをお仕事用に愛用している。
これだけ聞くと話は簡単そうに思える。
MacにSuperPaintをインストールして、起動するだけじゃないか。
実際にやってみた。
が、起動できなかった。
というのもそれは当たり前の話で、SuperPaintはMacOS9上で動くソフトだからだ。そして所有しているiMacのOSはMacOS10(Lion)。動くはずがない。
現に父も古いMacを使って、OS9環境を用意してSuperPaintを使っていた。
いつ壊れないかと思いながら。
おそらく父もそれが嫌でこのようなお願いをしたのだろう。今のMac環境がダメになったときに、取る選択肢が「中古のMacを探し回る」しかないことが。
というわけで今回、新たな選択肢
「新しいMac(OS10)上で古いMac(OS9)環境を構築する」
を提供してみることにした。イメージはこんな感じ。
OS10に仮想化ソフトをインストールし、その仮想化ソフトでOS9環境を構築。
そのOS9にSuperPaintをインストールして使う。といった具合だ。
ちなみに、仮想化ソフトというのは「OS10のパソコンを使っているのに、まるでOS9を使っているみたい」の「まるで」を実現するソフトのことだ。
調べた結果、今回やりたいことにぴったりなソフトとして、「SheepShaver」という仮想化ソフトが見つかった。
名前の通り、毛刈り中の羊を模したアイコン(笑
外国の人が作ったフリーソフトで、OS9環境のことを調べると、嫌が応でもこのソフトを目にする。結構最近もアップデートしていて、OS10.10のYosemite対応のSheepShaverもあった。
今回欲しいのはOS10.7のLionに対応したSheepShaver。こちらを選んでインストール。
※ガイドサイト:http://atsuyuki.blog130.fc2.com/blog-entry-405.html
※ダウンロードサイト:http://www.emaculation.com/forum/viewtopic.php?t=6703
また、SheepShaver以外に必要な材料として、以下のファイルも用意。
・Mac OS ROM(Read Only Memory)
・MacOS9
Mac OS ROMは手持ちのOS9環境PCから切り出して作成。
※ガイドサイト:http://www.katch.ne.jp/~kakonacl/douga/sheepshaver/sheepshaver.html
MacOS9は家の中でCDが見つからなかったので、中古で購入(6千円)。CDはOS9環境を作る度に使い回せる。と言い聞かせて自腹を切った(笑
今回唯一の出費。
※購入サイト:http://www.pasocomclub.co.jp/list/mac_os_9.html
材料が揃った所で、SheepShaverでmacOS9起動!
※インストールや設定の手順は下記サイト参考
http://atsuyuki.blog130.fc2.com/blog-entry-405.html
無事起動しまんた(^ ^)
右側の大きなウインドウがSheepShaverの画面です。
MacOS9環境が見事実現しました!!
さらにSuperPaintをインストール&起動!!
正常稼動(^ ^)
動作も、作成したファイルのOS10側とSheepShaver間のやりとりも問題なし!
ただ、文字入力がちょっと不具合があるので、チューニングは必要。
性能測定や、細かなチューニング等やることはまだまだありそうだが、とりあえず当面の目標は達成。
今回の環境構築を通して、MacOSの歴史(インテルMacとそれ以前のMac)や、優秀な絵描きソフトSuperPaintが何故生産中止になったのかなど、メインじゃないとこでも面白いことがいろいろ分かった。また、こういった類の環境作りの需要はデザイン系の人を中心に結構あることも分かった。だいたいは中古PCを後生大事に抱えている感じ。
次回はそこらへんの話を書こうかと。