生物学実験イラスト集No.1~17
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
No.8
No.9
No.10
No.11
No.12
No.13
No.14
No.15
No.16
No.17
受験戦争
まぶたを上げると、そこは真っ暗。
まわりは温かいなにかに囲まれている。
「…?」
そして、私が何なのかわからない。
いつもだったら、起き上がって、ワイシャツとチェックのスカート身につけて、ご飯作って、今日は部活があるから早く学校に行かなくちゃ。と、その日取るべき行動、次に取るべき行動へと自然に体が動いていき、頭が今日を認識していく。
普段、意識せずに行っているこのルーチン。今の私は、意識してもその状態に移る事ができない。
でも、不安はない。生まれつきの寝つきの良さ、寝起きの悪さ、低血圧のおかげで、朝起きた時に自分が何なのか、今日が何の日なのかわからなくなる事がままある。とりあえず、後者はおもいっきりテレビでも見れば思い出せる。
今日は何の日っ♪フッフー 。
じっとしていてもしょうがないので、この状況を分析することにした。
今のままでは、布団にくるまれている私という、布団との相対的な位置情報しかわからない。
「ぼふっ」
とりあえず昆布巻き状態になっている昆布を頭上方向からはがしてみた。
それでも真っ暗だった。
どこか、密室感、閉塞感といったものが混じっているのを感じる。まだ夜が明けていないのだろうか。
「きゃっ!」
手をまわりに伸ばすと、熱エネルギーが奪われるとき特有な、ドキっとする冷たさがあった。
このことから、私がなんで昆布巻き状態を選択していたのかビビッときた。
多分私はこの空間に敷布団やシーツを用意しておらず、布団のみ持ってきた。そのため、床の冷たさに直に触れることになってしまい、それを避けるためにこの形式を取ったのだ。
ただ、これはあくまで今までの私の行動パターン、性質に基づいた仮説に過ぎず、証明するためにはこの空間に敷布団やシーツがないという事を証明しなくてはいけないけど、そんな事は後回し。 とりあえず腰を上げて起き上がる。
「痛っー」
腰を途中まで起こした所で頭が天井にぶつかった。どうやら、ここは私の座高よりも低い空間らしい。触ってみるとひんやりして冷たい。天井も金属製だ。
L字のまま水平方向に動いてみると、これまたすぐに壁にぶつかった。
水平方向の広さを調べるために、さっきまでと同じように寝っころがってみることにした。
腕をめいいっぱい頭の方向に伸ばそうとしたら、ひじを軽く曲げたくらいで壁に手が付いた。次に、寝たまま左右方向に腕を伸ばしてみた。すると今度は腕を伸ばしきった所で、両方の壁にタッチする感じになった。
測量結果
Z軸(床に対して垂直方向):約1m。
Y軸(頭と足先方向):約2m弱。
X軸(Y軸の直角方向):約1m20cm。
そして六方を金属製の壁に囲まれている。
……
「なんでこんな所?」
真っ暗なので、今いる空間がどんな感じになっているのかはわからないが、少なくとも寝室でない事はわかる。さらに言うと、今までこんな所で寝た覚えもない。そもそも私は今、家の中に居るのだろうか?
さらに疑問は深まる。
でも、結論を出してみた。
「ここは夢の中なんだ。」
こんな奇妙な場所に密閉されている事がまずありえないし、答えが出ない。
と言う事で二度寝(夢の中における)に就くことにした。
「…」
「…」
「…」
「ぼふっ」
しかし、起きてもそこは真っ暗な空間。
もう諦めて、現状を認めよう。自分はこの空間に居るんだ。
しかも、まごうことなき現実のなかで。
とはいっても、いつまでも閉じ込められたままではどうしようもない。とりあえず、この空間の中をもっと調べてみよう。
隅から隅まで手のひらで床や壁を触ってみて、何かないかくまなく探してみた。 しかし、滑らかで冷たい面はどこまでいってもその感触を変えなかった。
足の方から頭の方向へと床を調べていって最後の隅に至ったとき、何かものに手が当たった感触があった。
しかも1つじゃない。
その中の一つに役立ちそうな感触があるものを見つけた。普段から寝床のそばに置いているものだ。
「カチっ」
手探りで手に入れたそれは懐中ライトだった。真っ暗だった空間は明るくなり、他の、感触があったものの正体もわかった。
その隅にあったのは、懐中ライト、化学のノート。英単語帳。シャーペン。の4点であった。それを見て私はここで寝ていた理由を完全に思いだした。
――昨夜の私は大学受験を控えていた。
前夜であっても勉強をしとくのは習慣だったので、いつものように机にかじりついていた。でも、なかなか集中できなかった。
原因ははっきりしていたし、今更それを言いだしても始まらないので諦めていた。それでもこのうるささでは集中しようにも集中できない。それを見かねたパパが、いつも金庫として使っている鍵付き倉庫を中の物を整理して横に倒して、そこで勉強できるようにしてくれた。
私も「こんなところで?」
とは思ったが、このままでは勉強はおろか安眠もできないと思い、そこで寝ることにした。朝になったら起こしに来ると言っていたので、それに完全に頼る気持ちで最後布団にくるまって、眠りについたのだった。
「ふあぅあ~」
いろいろ解決して安心したのかあくびが出た。しかし、何か大事な事を忘れている気がする。う~ん、ここで寝ていた理由も理解したし、後は誰かが起こしに来るだけ…。
…来るだけ?
そういえばなんで私、起きているんだろう?
いつもだったら一度寝たらテコでも起きないし、だからいつもは妹に起こしてもらっているのに…。自力で起きるのは昼過ぎに起きるときだけ…って、
「!」
そうか。今わたし、自力で起きている。
という事は結構まずい時間なんじゃないか?
「どうしよう。どうしよう!」って焦っている場合じゃない。
私はすぐさま持っていたライトを壁面にむけてみた。
「!」
「!」
「!」
「!」
「!!」
その中のひとつに、取っ手の付いている壁を見つけた!
取っ手を握り、おもいっきり外側に向けて、扉を開けた。
そこには何もなかった。
何もなかったというのは正確ではない。
正しくは自分の家だったものが、「すべてだったもの」になり、屋根には穴があき、そこから十二時を示す太陽が顔を出していた。ばらばらになった家に吹く風は冷たく、冬の青空はどこまでも高い。寝間着姿はこの状況に適していない事がわかる。
本当にすべてを思い出した。
結構前からこの町はうるさかったのだ。
戦争が日常茶飯事になった頃から。
特に、昨日はこの町での戦闘が激しいと聞いていた。
「おっ。あぶないなぁ」
足元にあった、ビールグラスが粉々になっていて危うく踏みそうになった。
まわりを見た感じ、壊れてなくてもそのグラスを使う人はもういなさそうなので、粉々でも問題はない。
近くに、人だったらしきものが活動を終えて、腐り始めていた。
水風船を叩きつけたみたいに、血と内臓を混ぜ合わせたものが放射状に飛び散っていてすごくきれい。
倉庫の近くにあるこれは、服装からして妹だろう。起こしにくるつもりだったのかな。ただ、胸部及び咽頭部がぺしゃんこになっちゃって、
「おっはよー!」とはもう言えない。
倉庫を出て、がれきの中からタンスを頑張って引きずり出し、制服に着替えた。受験票が入っていたファイルは私の部屋だった所にちゃんと残っていたので、それを制定カバンにしまった。 ローファーは見つからなかったので、パパのスニーカーを借りることにした。準備完了。
テストには間に合いそうにない。
試験官には寝坊で遅れたというのは伏せておこう。
「戦争で遅刻しました!」
の方が、説得力があるはずである。
48億の妄想が行動を規定する
「それは大臣のお考えでしょう?ところが彼らとしては、目前に迫った日韓会談に関して、外相がひとり頭を痛め、悩んでおられる情景が、映像として欲しいのです」
※引用:筒井康隆著, 48億の妄想(19761225第1刷), p.38
2014年の秋頃、僕は一冊の本を読み終えた。○○○○細胞問題が下火になってきたのとは関係なく退屈していた自分は、「おもしろい本を紹介して」と親父に注文をつけた。
注文に応じて出された作品は、新しい顔に交換をしたときの、吹っ飛ばされた方のアンパンマンの顔、のような衝撃を僕に与えた。分かりにくいか。
「48億の妄想」
筒井康隆によって書かれた長編小説で、今から40年近く前に出版された。
この作品世界では、ニュースはすべて視聴者が飲み込みやすい形にパッケージング、もとい、すり替えて届けられる。まさにテレビショーである。
テレビショーなのでもちろん、ニュースの当事者はエンタテイナーにならなくてはならない。おもしろくなるように振る舞わなくていけない。
悲しく見える事件では号泣し、トラブルの当事者なら頭を痛めなければいけない。
事態解決に繋がるような、純粋な論理的思考に基づいた行動なんて誰も求めていない。ストーリーから外れず、ストーリーに合うような行動が求められ、それ意外の選択肢はない。
当事者達が良くなる方向への行動ではなく、カメラを通してその料理(事件)を食べる(視聴する)視聴者の口に合う(が理解できる)行動をとらなくてはいけない。
この仕組みはもう現実に起きていないだろうか。
と、例の○○○○細胞「報道事件」を思い返した。
なんであの論文だけ、大規模な再現実験プロジェクトが組まれ(組まなくてはいけなくなって)、他にもある怪しい論文、不正行為があった論文は同様な規模のがないのか。
(どっちもやりたい人がやればいい)
おそらく、
若くて美人(?)と評判のシェフが作った見た目がとても美味しそうな料理として、テレビ中継していたのに、いきなり販売中止にしたからだろう。
実際にはそんな料理はないのに。
そして残されたコック達は
「おい、お前の店の若くて美人(?)と評判のシェフが作った見た目がとても美味しそうな料理は作らないのか」と言われ、調理活動ではなく、見た事もない創作活動にかり出される。
The Sky Crawlers in the sky
一人で見るべき映画であったと4年前の僕にアドバイスしたい作品でした。
今日は、ハワイ帰りの飛行機で観た映画「The Sky Crawlers」の感想を書きます。
・やりたい事のために生きなきゃと感じた。
・話の構成、特にオチは前例のあるものだった。
・前に友達の家で一緒に観たが、あれは失敗だった。なぜなら、最大公約数の答えがあるような作品でなく、観た人それぞれが違う返答をするような作品だったからだ。
例えば、大人、子供、大人と子供の間、のどこに感情移入するかで変わる、といった具合に。
・ストーリーを追うより、いくつか提示される問いを頭の中心に置きながら観るほうがすんなり楽しめる。一緒に観ていた友人はストーリーを追っていたためか、「よくわからない」といった感じだった。初めて観たときの自分もこれだった。
あと、森博嗣っぽい問いを投げかける作品だなぁと、しみじみ感じました。
メトロすごろく_②試行回数の差が戦力の差
※参考資料
http://www.uqwimax.jp/service/area/subway/tokyo_metro.html
Y君「南阿佐ヶ谷まで行ってください」
一方、Y君は「2」を出して、堅実に秋葉原方面へ。
だが、彼も直後に6を出し、序盤のディスアドバンテージはすぐになくなった。
この後は、早々に銀座から、日比谷線に合流したY君がゲームを有利に進めた。一方ぼくは、銀座線をずっと行き来し、勝つ気配が全く見えなかった。
だが、Y君もY君で、茅場町~入谷をずっと行き来するターンを繰り返していた。
※細かい経路はtwitterの「#メトロすごろく」にログを残した。
終盤
ついに僕も日比谷線に乗る事ができた。この間に、Y君は2時間以上日比谷線の地下で北上南下を繰り返していた。
ランチタイムにささしかかる頃
僕:上野_秋葉原駅まで2駅
ついに等距離マス位置に来た。2を出した方が勝利の位置。
僕:「4」
Y君:「2」
試行回数の差が最後に出た。Y君の勝利ですごろくは終わった。
あと、彼は日比谷線の接続に良いルートを事前にしっかり調べていたそうで、そこの差も出たのかと。あと4時間半ぶりの娑婆の空気はおいしかったです。
もっとゲーム性が増すルール変更の提案等があったらぜひ教えてください
m(_ _)m
・ログ
ゴールまでにかかった時間:約4時間半
それぞれの出した目
僕 | 6 | 5 | 4 | 3 | 3 | 5 | 4 | 1 | 5 | 3 | 3 | 5 | 6 | 1 | 3 | 6 | 6 | 3 | 1 | 4 | 5 | 4 |
Y君 | 2 | 6 | 5 | 2 | 5 | 4 | 1 | 5 | 6 | 4 | 2 | 5 | 2 | 5 | 1 | 3 | 2 | 6 | 5 | 2 |
メトロすごろく_①船出から座礁
東京の下にはすごろくの地図が埋まっている。
150222午前8時に僕と友人のY君は東京メトロ丸の内線新宿駅に居た。
にもかかわらず、僕らは猫カフェに行く事も、駅構内のトイレの行列に並ぶ事もなく、東京メトロ一日乗車券大人600円を購入していた。
さかのぼること約1.5月前の昼下がり。
「最後の学生の春休み、学生らしいことしたい」
という僕の一言からこの遊び始まった。
ルールは簡単。
スタート駅から、ゴール駅まで東京メトロの路線のみを使って、すごろくを行い、先にゴール駅に到着した方の勝ちといったものだ。
今回は更に、以下のようなルールを追加した。
1. 1~5の目が出たときは現在駅と同じ路線の好きな方向に、出た目だけ進むことができる。
2. 6の目が出た時は対戦相手に進む方向決めてもらい、6駅分移動する。
3. 乗換はマス目を移動中にはできない。
4. ゴールは通過ではなく、ゴール駅で止まる目を出さなくてはいけない。
5. 任意の路線を必ず使用しなくてはいけない。今回は東西線
今回のルール設定はできるだけシンプルなものにした。
どのような設定にするとゲーム性が増すのか、よくわからなかったからだ。
とまぁ暗中模索な状態で、参加者2人のこのゲームはスタートした。
今回のスタートは丸の内線新宿駅、
ゴールは日比谷線秋葉原駅。
2月から600円に値下がりした1日乗車券(ステマ)をポケットに入れ、
サイコロキャラメルの中身を抜き出し、始める準備を整えた。
東京の上でランナーがうごめいている中、僕の注目の第1投
「6」